からだのどこかに腫瘍(粉瘤・ほくろ・いぼ・おでき・脂肪腫・表皮嚢胞など)ができたら、なんとなく気になりますよね。
特段の痛みなどがなければ、長年放置しておく人も珍しくありません。
しかし、ある日突然消えてなくなることもなく、いつの日か重い腰をあげて、病院で手術してもらうことになります。
一般的に、外来で”皮膚、皮下腫瘍摘出術”が施行されることが多いのです。、はたして医療保険(手術給付金)のお支払い対象となるのでしょうか。
今回は、「皮膚腫瘍(粉瘤・ほくろ・いぼなど)」でお悩みのみなさまへ、医療保険の支払・加入の目安をご紹介いたします。
公的医療保険連動型タイプ
皮膚、皮下腫瘍摘出術(K000-5・6)は手術料が算定されるため、手術給付金の支払い対象です。
注意点として、医師によって皮膚、皮下腫瘍摘出術ではなく、皮膚切開術(K011)で手術料を算定する人がいます。
皮膚切開術は公的医療保険連動型タイプの”除外手術”として、規定されているケースがほとんどです。
腫瘍に対する治療という観点ではまったく違いがありませんが、保険の支払い対象になるためには、皮膚、皮下腫瘍摘出術(K000-5・6)で手術料が算定されなければなりません。
時折、手術料算定は皮膚切開術だけど、手術内容は皮膚、皮下腫瘍摘出術と同じ内容なのだから支払い対象としてほしい、といっお申し出(クレーム)があります。
結論としては、約款規定なので交渉の余地がなく、時間と労力の無駄だと思います。どうしても保険金が欲しい人は、手術の前に医師と相談するのがよいかもしれませんね。
手術88種タイプ
手術で摘出した腫瘍の”病理組織学的診断結果”により、手術給付金のお支払い対象か対象外が異なります。
お支払い対象は、病理組織診断結果が、悪性腫瘍・神経腫・神経鞘腫、ガングリオンなどです。悪性腫瘍なら、手術番号80番(入院日額の40倍)、もしくは82番(入院日額の20倍)がお支払い対象です。
また、神経腫・神経鞘腫なら、手術番号57番(入院日額の20倍)です。そしてガングリオンなら、手術番号13番(入院日額の10倍)です。
なお、ガングリオンの場合は、手指・足指は対象外ですので注意が必要です。
皮膚、皮下腫瘍摘出術の保険請求では99%以上が良性腫瘍です。
神経腫・神経鞘腫、ガングリオンなどを除いて、良性腫瘍ですと手術88種のいずれにも該当しないため、手術給付金はお支払い対象外です。
良性腫瘍の代表的な病理組織学的診断結果は、粉瘤(アテローム)、ほくろ(色素性母斑)、いぼ(良性)、疣贅(ゆうぜい)、脂肪腫、表皮嚢胞などが挙げられます。
皮膚、皮下腫瘍摘出術に類似する手術として、四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術(K030)があります。
これは、皮下より深いところ(浅層筋層)に生じた良性腫瘍を摘出した場合に、手術料が算定されることがあります。
手技が皮膚切開術や皮膚、皮下腫瘍摘出術ではなく、四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術であれば、手術番号13番(入院日額の10倍)に該当する可能性があります。
なお、四肢・躯幹南部腫瘍摘出術は"筋・腱・靭帯への観血操作の有無によって、保険会社毎に取り扱いが分かれるところです。
告知義務違反は大丈夫?
皮膚、皮下腫瘍摘出術は、加入直後の請求が少なくありません。
告知義務違反や責任開始期前発病として支払対象外となるかどうかは、告知状況や診断書の記載内容、保険会社によって千差万別です。
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まとめ&新しい保険の加入は?
皮膚良性腫瘍の場合、手術88種タイプは対象外、公的医療保険連動型タイプは手術種類によって一部対象です。
また、手術して完治後であれば、一般的に死亡・医療・がんなど新しい保険に加入できます(治療中や手術予定ありはNG)。
ただし、皮膚腫瘍が悪性(がん)だったら、最低5年は新しい保険に加入できません。
幸いにも今回の皮膚腫瘍が良性だったなら、この機会に保険を見直したり、追加契約を検討されることをおすすめいたします。