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乳がん(検診・手術・放射線・再建など)/医療保険の支払・加入の目安

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日本人女性の16人に1人が発症するといわれる乳がん。国立がん研究センターによると、乳がんの死亡者数は約13,000人、女性ではがん死亡全体の約9%です(2013年度)。乳がんの罹患数は約72,500人で、女性のがん罹患全体の約20%を占めます(2011年度)。芸能界においても、小林麻央さん、北斗晶さん、南果歩さん、麻木久仁子さん、田中好子さんをはじめ、枚挙にいとまがありません。

今回は”乳がん”について、検診・手術・放射線・ホルモン療法(内分泌療法)など、治療の段階毎に医療保険の支払事情を紹介します。

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乳がん検診(マンモグラフィ検査(+視触診・超音波(エコー)検査)/穿刺吸引細胞診/マンモトーム生検・センチネルリンパ節生検(病理組織診))

乳がんの発見するきっかけは、自分で症状(しこり・リンパの腫れなど)に気づくか、乳がん検診で疑いを指摘されるケースがほとんどです。乳がんの診断確定までには、主に3つの検診・検査があります。いずれも入院を伴うことはほとんどなく、外来での施行が基本です。

1.マンモグラフィ検査(+視触診・超音波(エコー)検査)

ピンクリボン運動でも推奨されているメジャーな検査です。勤務先(企業・団体など)や区市町村の健康診断(40代以上)で実施されています。20代・30代でも、乳腺外科・婦人科などで、自主的に受診できます。費用は超音波(エコー)検査とあわせて、15,000円~20,000円が主流です。

2.穿刺吸引細胞診(せんしきゅういんさいぼうしん)

マンモグラフィ検査などで異常を指摘され、精密検査が必要になる人は約5%(100人中5人)と言われています。

細い針を刺して患部病変を吸引し、細胞が悪性かどうかを調べる検査です。しこりが小さいとき、しこりの中にがん細胞がひろがっているときなど、正確に細胞が取れないことがあるため、診断確定には生検(病理組織診)が必要です。細胞診の結果は、クラスⅠ(正常な細胞)、クラスⅡ(ほぼ正常な細胞)、クラスⅢ(どちらとも判断が付かない)、クラスⅣ(限りなくがん細胞に近い)、クラスⅤ(ほぼがん細胞)に分けられます。

ご注意点として、がん保険や特定疾病保険料免除特約が対象になるためには、細胞診ではなく病理組織診での診断確定が必要です。細胞診でクラスⅤと診断されていても、病理組織診断結果が出なければ、がん保険・診断給付金は支払われません。

3.マンモトーム生検・センチネルリンパ節生検(病理組織診)

いずれも良性・悪性の診断確定をする病理組織診です。マンモトーム生検は、乳腺画像下ガイド吸引術(K474-3)で手術料が算定され、公的医療保険連動型の手術給付金対象です。一方センチネルリンパ節生検は、D409-2で算定される”検査”扱いのため対象外です。

病理組織診断結果は、TNM分類で表記されます。Tは浸潤度、Nはリンパ節転移の有無、Mは遠隔転移の有無です。乳がんの場合、Tisは上皮内癌(上皮内新生物)、T1以降が浸潤癌です。アフラックやメットライフのように、上皮内癌(上皮内新生物)の場合、がん診断給付金が削減される保険会社もありますので注意が必要です。また、三大疾病保険料免除特約は、メディケア生命など一部を除き、Tis=上皮内癌(上皮内新生物)は対象外です。

乳がんの手術(全摘術・部分切除/温存・再建術)

乳がんの手術は腫瘍の大きさにより、全摘術・部分切除/温存術に分けられます。手術名は乳腺悪性腫瘍手術(K476)が一般的ですが、医師によっては乳腺腫瘍摘出術(K474)や乳房切除術(K475)で算定するケースもあります。いずれの手術もがんの根治を目的としており、手術88種タイプでは、手術番号80×40倍に該当します。

生検の時点で、リンパ節転移が認められる場合には、乳腺悪性腫瘍手術とあわせて、リンパ節郭清術(K627)も同時施行することがあります。時期を同じくして(同日)に行われるため、手術倍率は40倍(×1)のみが手術給付金の対象です。

公的医療保険連動型タイプは、上記手術のいずれも手術給付金の支払対象です。

ご参考 ⇒ 胸部(乳腺腫瘍・乳房再建・食道狭窄など)/医療保険・手術のすべて

なお、入院期間は4日~10日程度が一般的です。

乳がんの放射線治療

おもに外科手術後、全身への転移を防止する目的で、放射線治療を実施することが多いです。合併症を併発していたり、高齢者を除いて、乳がんの放射線治療は基本的には”外来”で施行されます。

手術88種タイプの場合、50グレイ以上照射が支払対象です。2014年、日本放射線腫瘍学会から各生命保険会社に対して、乳がん治療の放射線(体外照射)は、42.56㏉でも50㏉相当の治療効果が認められるため、手術88種タイプでも支払対象としてほしいという要望がありました。この要望を受け、約半数の保険会社は42.56㏉であったとしても、乳がんに限って手術給付金の支払対象としています。

なお、公的医療保険連動型タイプは、放射線量を問わず手術給付金の支払対象です。

ご参考 ⇒ 放射線(体外・陽子線・重粒子線など)/医療・がん保険の支払事情

乳房再建術

2013年7月より、乳房再建術が健康保険適用になっています。乳房再建術(K476-3)・ゲル充填人工乳房を用いた乳房再建術(乳房切除後)(K476-4)を実施した場合、手術番号82×20倍に該当します(1乳房につき、1回限り)。ただし、再建乳房乳頭形成術(K476-2)は、対象外です。一方、公的医療保険連動型タイプであれば、いずれの手術も支払対象です。

なお、左右のバランスを調整するための手術(乳がんではない方の乳房)については、”美容目的(がん治療とは評価できない)”・”自費であること”を理由に、手術88種タイプ・公的医療保険連動型タイプのいずれも、対象外です。

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まとめ&新しい保険の加入は?

自覚症状(しこりなど)があり、精密検査を受ける前に慌ててがん保険に加入しても、90日以内にがんと診断確定された場合、がん保険は契約無効となります。乳がんは早期治療が大切です。がん保険の保障開始まで検査を先延ばしにすると、命に関わってしまうかもしれません。

苦肉の策として、医療保険にもがん診断給付金などの特約を付けることができます。万が一、医療保険に加入後90日以内にがんと診断確定された場合、がん診断給付金などの特約は無効になりますが、入院・手術などの主契約は保障が継続します。複数社に分けて加入すれば、告知義務違反や保険金支払の基準が保険会社によって異なるため、リスクヘッジすることができます。

なお、乳がんを経験すると、がん保険の新規・追加加入はまず無理です。医療保険・引受基準緩和型の医療保険でも5年以内の通院履歴があると、非常に厳しいですね。乳がん検診で異常を指摘されてしまうと、乳がん患者と同様、がん保険加入は、どこの保険会社でもかなり難しいのが実態です。

乳房のしこりに気づき、一刻も早く保険に加入したい人は、乳がん検診や医師の診察を受ける前に、ダメもとでがん保険もいいですが、すぐに保障が開始される医療保険の検討をおすすめいたします。

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