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がん保険/告知書の書き方&注意点・病気でも加入できるかの目安

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1981年(昭和56年)から、日本人の死因第1位・年間約36万人、およそ3人に1人はがんで死亡しています。1年間で新たにがんになる人も約86万人です。芸能界においても、小林麻央さん・北斗晶さん・南果歩さんの乳癌、雨上がり決死隊・宮迫さんの胃癌、つんく♂さんの喉頭癌など、がん患者は枚挙にいとまがありません。

がんに対する経済的な備えとして、1955年・アフラックがアメリカ・ジョージア州で世界初のがん保険が販売されました。その約20年後の1974年、日本でもがん保険が認可されています。以来、日本人の国民病である”がん”に備える社会インフラとして、がん保険は大きな役割を担っています。

がん保険は入院・手術・診断給付金(一時金)・先進医療が基本です。さらに、通院・放射線治療・ホルモン療法・払込免除など、保険会社によって様々な保障・特約の組み合わせが可能です。医療保険に比べてバリエーションが多く、告知書の内容も保険会社によって特徴があります。

今回は、がん保険・契約件数No1のアフラックとオリックスの告知書を参考に、書き方&注意点、病気でも加入できるかの目安を紹介します。

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がん保険の告知事項・内容

がん保険の告知書は、がんになる可能性の高い人を排除するために存在します。医療保険は病気の種類を問わず、怪我も含めて保障されます。

がん保険は”がん(悪性新生物・上皮内新生物)”に保障を絞っています。そのため、がん保険は医療保険に比べて告知項目は少なく、加入しやすいのが特徴です。

アフラック・がん保険の告知書(生きるためのがん保険Days・2017年4月1日現在)

最初にアフラック/がん保険・告知書の内容、項目ごとの詳細とポイントを解説します。

1.ご記入日(意向確認日・契約申込日・告知日)

アフラックに限らず、がん保険は責任開始日から90日以内に”がんと診断確定された場合”、契約が無効となります。90日間の起算日は、責任開始日(申込・告知・保険料の支払が揃った日)です。なお、契約が無効になると、保険料が返金されるかどうかは、保険会社によって異なります。

がんと診断確定されがん保険が支払われるためには、病理組織学的診断の結果が必要です。ただし、責任開始日から90日以内にがんと診断確定された日がいつなのかは、保険会社によって異なります。

乳がんの事例で説明します。乳がん検診(マンモグラフィ検査・超音波検査)で異常の指摘。次に、細胞診が行われます。そして、マンモトーム生検(乳腺画像腫瘍ガイド下吸引術・K476-3)で、病理組織学的診断結果で乳がんと診断確定されます。

つまり、乳がんの場合、がん保険(がん診断給付金など)が支払われるには、マンモトーム生検まで終了していることが必須です。

ほとんどの保険会社は、がんと診断確定された日=病理組織学的検査結果が判明した日です。ただし、保険会社によっては、細胞診の日、手術のために入院開始した日などをがんと診断確定された日としているることがあります。がん診断確定日がいつになるのか、がん保険・加入直後にがんになった場合は注意が必要です。

2.今までにがん(悪性新生物)※1にかかったことがありますか?

産まれてから現在までが告知対象です。10年前の乳がん、乳幼児期の白血病など告知しなければなりません。ただし、子宮頚部高度異形成(≒CIN3)は、当該項目の告知対象外です。がん(悪性新生物)と上皮内癌・上皮内新生物相当でがん診断給付金の保険金額が異なり、保険会社としてリスクヘッジしているのが主な理由です。

3.現在入院中ですか?または最近3か月以内に入院・手術※2をすすめられたことがありますか?(ただし、すすめられたすべての入院・手術が終わっている場合は除きます。)

病気や怪我を問わず、現在入院中の人は加入できません。また、皮膚腫瘍(いぼ・アテロームなど)のように日帰りの簡単な手術であったとしても、手術が終了するまでは告知に該当します。保険会社にとって、病院で手術をするというのは、リスク因子が高いですからね。

4.過去5年以内に<表A>の病気やその疑いで、医師の診察・検査・治療・投薬をうけたことがありますか?

告知義務違反になる可能性が高い項目です。理由は”疑い”であったとしても告知対象だからです。

例えば、4年前に胸が苦しかったので呼吸器内科を受診。特段の異常は認められなかったが、念のために半年間毎月1回病院で検査していた。医師から病名を告げられたことはないが、カルテ上は”肺気腫の疑い”とされていたとします。

このケースは告知に該当します。事実(カルテ上肺気腫の疑いとされていたこと)を知らずに、2年以内に肺がんになって保険金を請求しても、告知義務違反で保険金が支払われない可能性があります。

<表A >
特定の疾患 脳しゅよう、膀胱しゅよう、GIST(ジスト、ギスト)、カルチノイド
消化器の疾患 肝硬変症、慢性肝炎、肝線維症、肝機能障害(入院や治療を伴うもの)、

慢性アルコール性肝機能障害、NASH(非アルコール性脂肪肝炎)、

アルコール性肝炎、門脈圧亢進症、食道静脈瘤

呼吸器の疾患 COPD(慢性閉塞性呼吸器疾患)、肺気腫、慢性気管支炎、肺線維症、
塵肺、硅肺、気管支拡張症、間質性肺炎
腎臓の疾患 慢性腎機能障害、慢性腎不全、慢性腎炎、尿毒症
5.現在<表B>の病状や病気あるいはその疑いで、治療中・検査中・経過観察中ですか?または最近3か月以内に<表C>の病状や病気あるいはその疑いで、治療・検査をうけるようすすめられたことがありますか? (ただし、がん(悪性新生物)※1・上皮内新生物※3・異形成やその疑いが否定された場合は除きます。)

”現在”と”経過観察中”の文言が曲者です。

例えば、3年前にリンパ節にしこり(腫瘍)ができ、耳鼻咽頭科で定期的に診察・検査を受けていたけれども、ずっと原因が不明であった。3か月に1回は診察を受けるように指示されていたが、血液検査の結果も取り立てて悪くなかったため、しこりは残っているものの、ここ2年間は病院に一度も行っていない。

このケースですと、医師から”3か月に1回は診察を受けること”と指示されているため、”経過観察中”として告知に該当します。ではいつになったら告知に該当しないのかというと、医師から”何の心配もないのでもうこなくてよい”と言われたときです。

しこり(腫瘍)が残っていたり、はっきりと病名が付かないケースですと、いつまでたっても告知対象になる可能性がありますので、注意が必要です。

保険会社側(アフラック)にしてみれば、告知義務違反を主張しやすい内容です。しこりや出血など病名がはっきりしない人は、他社のがん保険、もしくは2年・5年以内など告知期間が明記された医療保険を検討したほうがよいかもしれません。

<表C >
検診の異常 肺の検査、胃腸の検査、マンモグラフィー検査、その他のがん検診
その他 しゅよう、しこり、結節、腫瘤(しゅりゅう)、出血(便潜血、不正出血、
喀血、吐血、下血、肉眼的血尿)、貧血(鉄欠乏性貧血を除く)、黄疸、
びらん、消化管のかいようや狭窄
  • ※1:がん(悪性新生物)には、白血病、肉腫、骨肉腫、悪性リンパ腫、MDS(骨髄異形成症候群)、骨髄線維症などを含みます。
  • ※2:手術には、帝王切開、内視鏡手術・レーザー・カテーテルによるものも含みます。
  • ※3:上皮内新生物には、上皮内がん、CIS、CIN3、HSILなどを含みます。
  • ※4:多発性ポリープ(ポリポーシス)には、過去5年以内に、5個以上のポリープが発生しているもの、あるいは5回以上の治療歴のあるものも含みます。
  • ※5:しゅようマーカーの異常とは、検査結果が基準値を超えた場合を意味します。

オリックス・がん保険の告知書(Believeビリーブ・2017年4月1日現在)

続いて、オリックス/がん保険・告知書の内容、項目ごとの詳細とポイントを解説します。

1.今までに、がんまたは上皮内新生物にかかったことがありますか。(がんとは、癌、白血病、肉腫、骨髄腫、悪性リンパ腫などの悪性新生物をいいます。上皮内新生物には、高度異形成、上皮内がんも含みます。)

オリックスのがん保険は、上皮内新生物(上皮内癌)と悪性新生物(がん)の保障金額が同一です。アフラックのように上皮内癌の場合、がん診断給付金が1/10になることはありません。

オリックスのように、上皮内新生物(上皮内癌)と悪性新生物(がん)の保障金額が同じ保険会社は、”産まれてから現在まで”(=今までに)のがん・上皮内新生物について、告知を求めています。

2.最近3か月以内に、※別表1の病気または症状で、医師の診察、検査、治療、投薬のいずれかを受けたことがありますか。(投薬には、病院や診療所で薬の処方のみを受けた場合も含みます。)

”3か月以内”と期間を限定しており、分かりやすいのが特徴です。極論ですが、3が月を1日でも過ぎていれば、告知には該当せず、告知義務違反を問われることもありません。

※別表1

病気 症状
ポリープ・しゅよう等 ポリープ、しゅよう(腫瘍)、結節、しゅりゅう(腫瘤)、異形成、多発性ポリープ(ポリポーシス) ・出血(便鮮血、不正出血、喀血、吐血、下血、血尿)

・貧血(鉄欠乏性貧血を除く)

・黄疸

・びらん

・しこり

・消化管の潰瘍や狭窄(良性か悪性か不明の場合)

・B型肝炎・C型肝炎ウイルスキャリア

 消化器の病気 かいよう性大腸炎、クローン病、肝硬変、慢性肝炎、肝機能障害(入院や内服治療を伴うもの)、慢性膵炎、食道静脈りゅう
 腎臓の病気 慢性腎炎、慢性腎不全
呼吸器の病気 慢性閉塞性肺疾患(COPD)、間質性肺炎、肺気腫、肺線維症、じん肺、けい肺
 その他 白板症、糖尿病(インスリン治療中、※合併症を伴っている場合)※合併症とは、糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症、糖尿病性神経障害をいいます)
3.過去2年以内に、健康診断・人間ドックをうけて、別表2の検査結果の異常(要再検査、要精密検査、要治療))を指摘されたことがありますか。※再検査、精密検査の結果、異常がなく、診察完了となった場合は「指摘なし」に「○」をつけてください。※健康診断とは、健康維持および病気の早期発見のための診察・検査をいいます。(乳幼児健診や、自主的にうけた脳ドック、がん検診も含みます)。

ここでも”過去2年以内”と告知期間が明記されています。あらゆる種類の検査が並んでいますが、何かしらの異常を指摘さてなければ、まったく心配ありません。

ただし、検査機関によっては、検査結果の表記が曖昧なことがあります。告知に該当するかどうか微妙なケースでは、自分自身で判断することなく、検査結果表を告知書と一緒に提出したうえで、加入できるかどうかを保険会社に判断してもらうのがよいですね。

※別表2

検査
・胸部レントゲン検査

・上部消化管レントゲン検査(または内視鏡検査)

・腹部超音波検査

・便鮮血検査

・マンモグラフィ検査

・乳房超音波検査

・肝炎ウイルス検査(HBs抗原・HCV抗体)

・CT検査

・MRI検査

・PET検査

・子宮がん検診

・乳がん検診

・しゅようマーカー(CEA、AFP、CA19-9、PSAなど)

オリックス/がん保険・告知書は、アフラックと比べて、告知対象の期間が明記されています。”分かりやすさ”という点ではオリックスに軍配が上がりますね。

告知項目も少ないですが、”加入しやすい”・”商品性に優れている”とは言い切れません。どちらも保障と保険料のバランスがよいので、じっくりと比較検討する価値があると思います。

がん保険に加入できるかの目安

アフラックは告知項目2~6、オリックスは告知項目1~3、これらの告知項目にさえ該当しなければ、たとえ精神疾患(うつ・パニック障害など)で通院加療中だったとしても、がん保険には加入できます。一般的な生命保険、医療保険では、精神疾患系はまず加入することはできませんが、がん保険は”がんに保障を絞っているために、医療保険よりも加入条件は緩いです。

2000年代前半まで、がん保険にもがん以外での死亡保障が特約として付加されている商品が主流でした。時代の流れとともに、がん以外での死亡保障(特約)はなくなり、がん死亡の保障も消えつつあります。

保険会社としては、がんにさえならなければ、保険金を支払うことがありません。そのため、がんになる可能性の高い人だけを排除できるよう、各保険会社は告知書の内容に工夫を凝らしています。

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まとめ

がん保険は、保障内容も告知内容も、保険会社によって千差万別です。しかし、一度でも癌になってしまったら、費用対効果の高い(コスパの良い)がん保険に加入することはできません。

万一がんになったとき、安心して治療に専念するためにも、がん保険加入の際には、告知書・内容について都合よく自己解釈し本来告知しなければならないことを告知せず、告知義務違反で保険金が支払われない事態は絶対に避けたいものです。

病院で医師の診察や検査を受けたことがあるのでしたら、告知に該当するかもしれない、といった心持ちがよいと思います。告知義務違反をしても大丈夫って、保険会社を甘く見ないことですね。がん保険は、がん診断一時金など保険金が高額になることが多いため、調査の基準も医療保険に比べれば格段に厳しいです。

がん保険に加入できない健康状態でしたら、告知緩和型医療保険を検討してみてはいかがでしょうか。一般的な医療保険やがん保険に比べて、コスパは悪くなりますが、何もないよりはマシかもしれません。

繰り返しになりますが、がん保険を選ぶ際には、保障内容・保険料はもちろんのこと、告知内容についても比較検討されることをおすすめいたします。

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