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団体信用生命・ワイド団信/告知書の書き方&注意点・加入できるかの目安

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住宅ローン(新築・中古・土地の購入、増改築・リフォーム、借り換えなど)を借りるためには、安定した収入があること、そして”健康であること”が必須要件です。金融機関(銀行・信金・ノンバンクなど)では、フラットを除いて団体信用生命保険(以下、団信)への加入を義務付けているからです。住宅ローンと団信は切っても切れない関係です。

たとえば、一部上場企業・勤続15年・年収1,000万の人でも、健康状態に問題があって住宅ローンが通らないケースは、本当によくある話です。病気のせいで夢のマイホームを諦めなければならないのは、とても悲しいことですね。

おすすめはしませんが、病歴を隠して(告知義務違反をして)、団信に加入し住宅ローンを組むことは可能です。明らかな告知義務違反は論外ですが、告知書を都合よく解釈して告知すべき事項を告知せず、告知義務違反を問われて保険金が支払われない事例は日常的に発生しており、決して他人事ではありません。

住宅ローンを組むにはたくさんの書類が必要になりますが、何よりも大切なのは団信の告知書を正しく書くことです。もし万が一のことが起こった際に、告知義務違反によって保険金が支払われなかったら・・・。ローンを返せなくなり、マイホームは競売に掛けられ、遺族は住む場所さえも失ってしまうことになりかねません。

今回は、団体信用生命保険・ワイド団信について、保険金が支払われる正しい告知書の書き方、加入できるかの目安を紹介いたします。

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団体信用生命保険の告知事項・内容

団信の主な告知項目は3つ(1~3)です。これらはどこの金融機関でも基本的に同じです。

1.最近3か月以内に医師の治療(指示・指導を含みます)・投薬を受けたことがありますか。
2.過去3年以内に下記の病気で、手術を受けたことまたは2週間以上にわたり医師の治療(診察・検査・指示・指導を含みます。)・投薬を受けたことがありますか。

・狭心症、心筋梗塞、心臓弁膜症、先天性心臓病、心筋症、高血圧症、 不整脈

・脳卒中(脳出血・脳梗塞・くも膜下出血)、脳動脈硬化症、統合失調症、神経症、うつ病、てんかん、知的障碍、認知症、自律神経四徴症、アルコール依存症

・喘息、慢性気管支炎、肺結核、肺気腫、 気管支拡張症、慢性閉塞性肺疾患、

・胃潰瘍、十二指腸潰瘍、 潰瘍性大腸炎、腸閉塞 、クローン病

・肝炎(肝炎ウイルス感染を含む)、肝硬変、肝機能障害 、すい炎

・腎炎、ネフローゼ、腎不全、前立腺肥大症

・糖尿病(耐糖能異常含む)、リウマチ、膠原病、貧血症、紫斑病、高脂血症、甲状腺の病気、子宮筋腫、子宮内膜症、卵巣嚢腫、乳腺症

・緑内障、白内障、網膜の病気、角膜の病気

・がん、肉腫、白血病、リンパ腫、腫瘍(しゅよう)、ポリープ

3.手・足の欠損または機能に障害がありますか。または、背骨(脊柱)・視力・聴力・言語・そしゃく機能に障害がありますか。

ワイド団信・三大疾病/七大疾病特約の告知事項・内容

ワイド団信や三大疾病・七大疾病の保障ありの場合は、告知項目1・2・3に加えて4.5が追加されます。

4.過去1年(2年)以内に健康診断・人間ドッグを受けて異常(要再検査・要精密検査・要治療・要経過観察を含みます)を指摘されたことがありますか。
5.今までにがん(悪性新生物)にかかったことはありますか。

続いて、告知項目ごとに、告知書を書くときのポイントを紹介します。

告知項目1:最近3か月以内に医師の治療(指示・指導を含みます)・投薬を受けたことがありますか。

病気・症状を問わず、”病院に行ったかどうか”を問われています。インフルエンザ、感染性腸炎(ノロウイルスなど)、月経不順、不正出血などを含めて、病院で診察を受けたら基本的に告知の対象です。

歯医者、および柔道整復師(整骨院・接骨院)の治療についても、告知事項に該当すると解釈しておいた方が無難ですね。もっとも、歯医者と柔道整復師での治療を理由に、告知義務違反が問われて団信の保険金が不払いとなった事例は、見たことも聞いたこともありません。

告知項目2.過去3年以内に下記の病気で、手術を受けたこと、または2週間以上にわたり医師の治療(診察・検査・指示・指導を含みます。)・投薬を受けたことがありますか。

よくある告知義務違反の事例を3つ紹介します。

①Aさん:頭痛が治まらないため病院を受診。医師から2週間くらい様子を見てまた来てくださいと言われたのに、良くなったので行かなかった。

②Bさん:ストレスにより心療内科・精神科を受診。睡眠薬・向精神薬を処方されるも、服用する気にならず飲まなかった。

③Cさん:がんになったものの、5年前に手術ですべて悪性腫瘍を取り切った。化学療法や放射線治療もなく、完治(寛解)している状態。念のため、半年に1回定期的に診察を受けている。

上記事例①~③で共通しているのは、自分では治ったと判断している点です。たしかに日常生活には問題ない状態かもしれませんが、保険に加入できるかどうかはまったく関係ありません。一度でも病院で診察を受ければ、ほとんどが治療中・経過観察中であり、医師の指示・指導に該当します。

なお、がん(悪性腫瘍・悪性新生物)で告知事項に該当する人が、団信・ワイド団信に加入できたという話は聞いたことがないですね。

告知項目3.手・足の欠損または機能に障害がありますか。または、背骨(脊柱)・視力・聴力・言語・そしゃく機能に障害がありますか。

団信・ワイド団信の支払事由には、死亡保険金の他に、高度障害保険金があります。高度障害状態とは、両下肢麻痺や失明、喉頭(声帯)の全摘、終身常に介護が必要な状態などです。障害等級1級だからといって、高度障害に該当するわけではありません。

高度障害保険金が支払われるには、加入後に発症した病気や怪我によることが条件です。死亡保険金であれば、告知した内容が悪化して死亡したとしても、保険金は支払われます。

しかし、加入前の病気や怪我が原因の場合、それらを告知していたとしても高度障害保険金は支払われません。例えば、緑内障治療中と告知して団信に加入した人が、緑内障によって両眼失明した場合、高度障害保険金は支払われません。

一方、死亡保険金については、告知した事項を理由として告知義務違反を主張することができません。例えば、胃潰瘍を告知して、その後胃癌で亡くなったとしても、胃潰瘍の告知が正当であれば、保険金は支払われます。

ただし、胃癌を胃潰瘍と告知した場合は、”過小告知”として、告知義務違反により保険金は支払われません。

告知項目4:過去1年(2年)以内に健康診断・人間ドッグを受けて異常(要再検査・要精密検査・要治療・要経過観察を含みます)を指摘されたことがありますか。

会社の定期健康診断はもちろん、自主的に受けた人間ドック、生活習慣病検診・がん検診などが対象です。健康診断を施行した医療機関によって、要再検査、要精密検査、要治療、要経過観察のいずれに該当するかは異なります。

肝機能の数値が基準より大幅に外れていたけど他はオールAとか、全体的に少しずつ悪かったなど、健康診断結果は十人十色です。尿検査や心電図検査、がん検診などの異常指摘は、加入が難しくなる傾向がありますね。

40代以降の人であれば、オールAの人を探す方が難しいです。少しでも異常値がある場合は、告知書に健康診断結果表を添付して提出するのが手っ取り早くて、間違いがありません。保険会社が健康診断結果表を見たうえで加入できるのであれば、少なくても健康診断結果について告知義務違反を問われることはなくなるからです。

告知項目5.今までにがん(悪性新生物)にかかったことはありますか。

産まれてから現在(告知日)までを問われています。「はい」の場合、三大疾病・七大疾病などの特約を付けることはできません。

告知義務違反によって契約解除されるのは、加入から2年以内です。では、2年を経過後にがんになった場合、過去のがんの病歴がばれてしまったとしたら、どうなるのでしょうか。加入から何年経過しても、詐欺・無効、重大事由による解除を可能性があります。

仮に、詐欺・無効、重大事由によって契約を解除されなかったとしても、がんの告知義務違反があれば三大疾病・七大疾病保障の保険金は支払われません。三大疾病・七大疾病などの特約には、”はじめてがんになった”という条件があるからです。

団信・ワイド団信に加入できるかの目安

下記の表はイオン銀行・ワイド団信の引受事例です。

おもな疾病 ワイド団信で過去に引受実績のあるおもな例
代謝異常 糖尿病、脂質異常症(高脂血症・高コレステロール血症)、高尿酸血症・痛風など
心臓・血圧 狭心症、心筋梗塞、不整脈、心房細動、期外収縮、心臓弁膜症、高血圧症、血栓性静脈炎(静脈血栓症)など
脳卒中(脳梗塞・脳出血・くも膜下出血)、脳動脈瘤(脳動脈解離)、てんかん、ギランバレー症候群など
精神・神経 うつ病・うつ状態、自律神経失調症、適応障害、不安障害、強迫性障害、パニック障害、睡眠障害、神経症など
食道・胃・腸 潰瘍性大腸炎、クローン病、逆流性食道炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、大腸ポリープなど
肝臓・胆道・膵臓 肝炎・ウイルス肝炎(B型肝炎・C型肝炎)、肝機能障害、脂肪肝、胆石、胆嚢ポリープなど
呼吸器(胸部) 喘息、気管支炎、肺炎、肺血栓塞栓症、結核、睡眠時無呼吸症候群など
目・耳・鼻 緑内障、白内障、網膜剥離、難聴、副鼻腔炎など
ホルモン・免疫異常 バセドウ病(甲状腺機能亢進症)、甲状腺機能低下症、リウマチ性疾患、橋本病、全身性エリテマトーデスなど
血液・造血器 貧血、赤血球・白血球の数値異常など
妊娠・女性特有の病気 妊娠、子宮筋腫、卵巣嚢腫、子宮頸部異形成、子宮内膜炎など

上記疾病のなかで特に加入が難しい疾病にも拘らず、ワイド団信に加入できた理由をを推察してみます。

①うつ病のケース:2年10カ月前にうつ病と診断。2週間分だけ薬をもらって以降、一切通院をしていない。職場でも欠勤がなく、現在は完治しており、まったく心配がないといった診断書がある人

②脳卒中のケース:手術の必要がない程度の軽いもので、10日間の入院・投薬治療で完治。後遺症も一切ない人

③ウイルス肝炎(B型・C型)のケース:キャリアであり定期検診(半年に1回)はしているものの、告知対象期間外を含め、投薬や入院をしたことが一度もない人

①~③はいずれも告知事項に該当しますが、保険金の支払リスクは少ないと判断されたのかもしれません。

一見すると、上記表にある疾病の治療中でも、ワイド団信に加入出来そうな印象をうけます。しかしながら、精神・神経の病気で通院・投薬中、脳卒中でリハビリ中など、現在進行形で治療をしているなら、たとえワイド団信であっても加入は難しいです。どれだけの人が本当に加入できているのか、真偽のほどはかなり疑わしいです。

目を凝らして隅々までよく見ると、”記載の疾病のカテゴリーや病名は一例です。ワイド団信の加入可否は、病名だけで決定するものではありません。”という但し書がありました。実際のところは、客寄せパンダなのかもしれませんね。

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まとめ

告知項目に該当したからと言って、団信に加入できないわけではありません。治療状況(通院中なのか完治しているのか)、投薬があれば薬剤名、検診のデータ、今後の治療予定など、できるかぎり詳しく告知したり、医的な資料を提出した方が、プラスに働くケースが多いです。

口は災いの門、詳しく告知することで、マイナス評価されると考える人もいますが、それは誤りです。”疑わしきは被告人(契約者)の利益に”ではなく、”疑わしきは罰する=加入させない”。保険会社はあえてリスクを取ることはしないものです。

団信・ワイド団信の引受基準は保険会社によって異なります。東京三菱UFJがダメならみずほか三井住友。それでもダメなら、りそな、新生、JA、労金。地銀、信金など選択肢はたくさんあります。健康状態に不安がある人が住宅ローンを検討する時の注意事項として、引受保険会社がどこかを金融機関に確認することですね。金融機関が異なっていても、引受保険会社が同じであれば、結果は変わりません。

A銀行の団信がダメならB銀行の団信。それでもだめならC銀行のワイド団信。最後の手段は、団信加入が不要なフラット対象の物件しかありません。金利云々よりも、まずは住宅ローンに通らなければ、マイホームを手に入れることは難しいですからね。

住宅購入は生涯で何度もないことですし、手間暇はかかりますが、諦めずにいろいろな金融機関で検討・相談することをおすすめいたします。

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