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放射線(体外・陽子線・重粒子線など)/医療・がん保険の支払事情

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乳がんでは乳房全摘や部分切除のあとにがん細胞を死滅させるため、放射線治療が行われるのが一般的です。乳がん以外でも、転移性脳腫瘍・肝転移、前立腺がん、甲状腺がん、肺がんなど、様々な悪性新生物(がん)対して放射線治療が行われています。今回は、医療保険・がん保険において、放射線治療の手術給付金支払対象可否について紹介いたします。

放射線治療の概要

・外的照射・・・体外から放射線を照射する方法です。一般照射は、1回につき2~3㏉程度の線量を照射します。分割して照射することで、副作用を減らす効果があります。定位照射は、病巣に対して多方向から集中して照射します。ピンポイントで照射するため、副作用が少ないのが特徴です。

・内部照射・・・体内から放射線を照射する方法です。病巣の近くで効率的に治療でき、副作用を減らすことができます。密封小線源療法は、放射線源(金属カプセル)を病巣に埋め込む方法です。内容療法は、”腫瘍にだけ特異的に集まる放射線源”を含んだ薬を、内服、もしくは注射により行います。

放射線治療のお支払い要件

公的医療保険連動型タイプの医療保険は、放射線量が不問です。
手術88種タイプの医療保険とがん保険は、”新生物”に対する放射線量50㏉以上がお支払い要件となります。公的医療保険連動型タイプの医療保険とは異なり、”脳動脈瘤奇形”やバセドウ病に対する放射線治療は、”新生物”に対する放射線治療ではないため、お支払い対象外です。

公的医療保険連動型タイプと手術88種タイプでは、髄膜腫・聴神経腫瘍・頭蓋咽頭腫・神経膠腫など、良性新生物に対する放射線治療もお支払い対象です。

がん保険は悪性新生物のみがお支払い対象です。

なお、共通事項として、放射線開始日から60日の間に1回のみお支払い対象です。

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線量不問でお支払い対象の放射線治療

・IMRT(強度偏重放射線治療)・・・M001「4」
・ガンマナイフによる定位放射線治療・・・M001-2
・直線加速器(リニアック)による定位放射線治療・・・M001-3「1」
・重粒子線治療、陽子線治療
・サイバーナイフ・・・M001-3「1」
・密封小線源治療・・・M004 など

放射線量50㏉基準の矛盾点

手術88種タイプの医療保険、およびがん保険では、放射線量50㏉がお支払いの要件です。しかし、上記のとおり、ガンマナイフや重粒子線、陽子線などは”放射線量にかかわらず、お支払い対象にしています。理由として、定位照射は50㏉以上の放射線治療と同様の効果があるとして、50グレイ以上を支払い要件と規定する約款とは異なるのの、各保険会社の”内規”により、お支払い対象としているためです。

それにもかかわらず、乳がんに対する体外照射は、放射線量50㏉の基準を厳格に運用している保険会社が少なくありません。現在では総線量42.56㏉の対外照射が一般的であり、医学的にも50㏉と同等の治療効果が認められています。

保険会社のこうした対応に業を煮やした”社団法人 日本放射線腫瘍学会”が、2014年夏ごろ各保険会社宛に”乳がん治療の体外照射は42.56㏉であっても50㏉相当の治療効果があり、お支払い対象とすべきである”という主旨の文書を送付しています。仮に、日本放射線腫瘍学会の主張が認められ、保険会社が取り扱いを変更した場合は、取り扱い変更前の保険契約にも適用されるのが通常です。

しかし、過去の支払事由(すでに保険会社へ請求済みの乳がんの対外照射)に対しては、追加支払いをしないと思います。理由は、契約者にとっても優位改定は過去の支払事由に訴求しないのが、生命保険業界の慣例だからです。直近で乳がんの放射線治療42.56㏉を実施した人は、各保険会社に現状の規定を確認のうえ、規定が変更されてから請求するのもありだと思います。

平成28年12月時点で、乳がんの放射線治療を42.56㏉でもお支払い対象としているのは、約半数くらいの保険会社です。乳がんの体外照射42.56グレイも、ガンマナイフや重粒子線と同様にお支払い対象とすることが、時代の要請に答えるものではないかと思います。

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