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通院特約は必要?/医療保険・傷害保険・がん保険の支払事情

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2000年代前半まで、国内大手社の総合パッケージ保険や外資系の医療保険に、特約として”通院保障”を付けることができました。ところが、生命保険会社各社の相次ぐ保険金不払い・支払漏れ問題が発生した2005年頃から、各社一斉に”通院保障”の新規契約取り扱いを取りやめています。

理由は、支払い漏れの大半が”通院保障”だったからです。通院特約の請求は大量の”領収書”が添付されているケースが多く、基本的に人間の目で最終チェックしています。

システム対応ができないため、悪意のない人的ミスにより支払漏れが起こりやすいのが実情です。さらに、通院保障は保険会社にとって利益の出しにくい商品、つまりサービス的な位置付でもありました。

現在(2017年)、アフラック、メットライフ、あんしん生命など一部の会社を除いて、通院保障を積極的に販売する保険会社は少なくなっています。では、”通院保障”は必要のない特約かといえば、決してそんなことはありません。、保険会社にデメリットがあるということは、契約者にメリットが少なくはないとも言えます。

今回は、通院特約の主な特徴について、ご紹介いたします。

医療保険・通院特約の支払事情

医療保険・通院特約の支払要件は、「疾病や怪我で5日以上入院した後、120日以内の通院を30日を限度とする」と規定されています。さらに、①病院または診療所への通院治療であること②病院または診療所には柔道整復師法に定める施術所を含みます。ただし、四肢における骨折、脱臼、捻挫または打撲に関し施術を受ける場合に限る、という条件があります。

通院特約が対象となるかどうか、交通事故に遭ったAさんの事例をもとに紹介します。幸いにも手足の骨折などはなかったものの、むち打ち症状(腰や頸椎の痛み)があり、総合病院で10日間入院しました。

退院後、3回ほど総合病院で外来受診しましたが、特段の異常は認められず、今後は近所の整骨院で治療を継続することにしました。整骨院は自宅から近く、痛みもなかなかひかなかったため、Aさんは3カ月ほど毎日のように通いました。その甲斐もあって、退院から4か月後にはむち打ち症状もなくなり、日常生活を取り戻したAさんは、保険の請求を行うことにしました。

Aさんは、入院日額10,000円と通院日額3,000円の保険に加入しており、入院給付金10,000円×10日分=100,000円と通院給付金3,000円×30日分=90,000円、合計で190,000円が支払われると試算していました。ところが、実際に支払われたのは、入院100,000円と通院9,000円、合計109,000円でした。

もしかして支払い漏れかと不審に思ったAさんは、保険会社に問い合わせしたところ、保険会社から”総合病院への通院3日分のみお支払い対象です”と回答がありました。なぜ総合病院への通院3日分しか支払われなかったのでしょうか。

Aさんは手足に骨折はなく、むち打ち症状により通院していたため、上記②が適用され、整骨院への通院分がお支払い対象外となってしまったのです。仮に、Aさんが足を骨折しており、足の治療のために整骨院へ通っていたとしたら、通院給付金は30日分お支払い対象でした。しかし、Aさんのように、腰や頚椎の痛みで、”病院”ではなく”整骨院”に通院した分は通院特約の対象外です。

傷害保険・通院特約の支払事情

傷害保険の通院特約の支払要件には、”入院”の要件はありません。ただし、”むちうち症、腰痛などのうち画像検査等で異常が認められないもの”は対象外です。また、傷害保険ですので、疾病による通院も対象外です。

ご注意点として、事故日から180日以内の通院が対象になります。

がん保険・通院特約の支払事情

支払要件に”入院”があるかどうかは、保険会社、保険契約時期によって異なります。古いタイプのがん保険は入院要件あり、新しいタイプは入院要件なしが多いです。共通しているのは、”がんを直接の目的とした通院”が支払要件であることですね。

ご参考 ⇒ がん保険が支払われない7つの事例/トラブル・苦情の理由

通院特約・請求のポイント

保険金請求に際して、診断書や領収書などを提出するのが基本です。ただし、保険会社や請求金額(100,000円以下など)によっては、みずから通院した日に○を付けて診察券のコピーを提出すればOKな場合も多いです。

通院の領収書は何十枚にもなってコピーが大変です。必要のないケースもありますので、無駄な手間暇時間をかけることのないよう、あらかじめ保険会社に確認するのがよいですね。

あまり大きな声では言えませんが、通院の領収書をチェックするのは、結構骨の折れる業務です。なかには、通院特約が付いていないのに何十枚も通院(外来)の領収書を添付してくる人もいます。もしかしたら、1枚くらい入院分があるかもしれないので、全件チェックしないわけにはいきません。

そもそも通院特約が付いていないのに通院(外来)の領収書を保険金請求書類に添付するのは、ぜひやめていただきたいですね。何も生み出さず、誰も得をしない、契約者・保険会社双方にとって無駄な行為です。得をするのは、コピー代が儲かるコンビニくらいでしょうか。

まとめ

通院特約は費用対効果の観点から、損益分岐点が微妙なところです。通院特約の保険料分だけを貯金することも、現実的ではありません。がん保険なら通院特約がある商品、医療保険でも入院前の通院も保障される商品でしたら、加入の検討をおすすめいたします。

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