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生活保護者・不正受給なめんな!/生命保険&医療の加入・支払事情

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「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と憲法25条で定められた、世界でも有数の社会福祉国家である我が日本。病気や怪我などで働くことができず、経済的に困窮する人々を救う大切な制度であると思います。一方で、不正受給や芸能人が扶養義務の放棄したり、生活保護を本当に必要とするシングルマザーが門前払いを受けたりなど、数多くの問題を抱えています。

生活保護受給者の医療費は無料であり、生活保護受給中は新たに医療保険へ加入する必要はありません。しかし、病気になってからでは新規の加入は難しいため、生活保護受給前に加入した保険は、一定の条件をもとに、生活保護受給中も継続を認められることがあります。

今回は生活保護受給中の保険請求について、Aさんの事例をもとにご紹介いたします。

Aさんは50歳、独身。以前は情報機器メーカーの営業でしたが、45歳の時に会社の経営悪化によってリストラされました。その後、派遣社員として働いていましたが、心臓病を患い現在は無職です。すでに貯金は底をつき、生活保護を受給しながら、社会復帰を目指した矢先に、病気が悪化し、入院することになりました。

Aさんはサラリーマン時代に、入院日額10,000円医療保険に加入しており、解約返戻金がないタイプだったこともあり、生活保護受給開始後も、生活費をやりくりしながら、なんとか契約を継続していました。50日の入院を経て、無事に退院となったAさん。医療費は無料でしたが、医療保険で50万円支払われることになり、生活保護費もあるし、今後の就職活動など生活の立て直しができると張り切っていました。

退院してから数か月後。まだ就職活動中だったAさんに思いもよらぬことが起きました。なんと、生活保護費の支給がストップしたのです。慌てたAさんは社会保険事務所へ理由を問い合わせたところ、「Aさんの口座に50万円の入金があったので、その分は生活保護費を削減しました」との回答がありました。

Aさんは、「50万円は医療費であり、生活保護費とは別です。生活保護費を支給してください」と主張しましたが、「理由の如何を問わず、収入がある場合は生活保護費は支給できません。」と、にべもなく断られてしまいました。Aさんは、厚生労働省にまで異議申し立てを行いましたが、結論が変わることはありませんでした。

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もしAさんが、医療保険で50万円支払われるとその分生活保護費が支給されないことを事前に知っていて、保険の受取人をAさんの兄とし、生活保護費の支給停止を避けることはできたのでしょうか。入院など保険給付金のお支払口座は、原則として被保険者本人の口座です。これは、被保険者の経済的損失を保障するという、保険の原則によるものです。被保険者本人が入院することによって経済的損失が発生するのはあくまで被保険者本人です。そのため、Aさん以外を入院給付金の受取人に指定することはできません。

ただし、お支払い金額が100万円以下、保険料引き落とし口座がAさんの兄など、一定の条件により、Aさん以外にお支払いする保険会社もあります。なぜなら、保険会社はAさんが生活保護費を受給しているかどうか、Aさんから申し出がない限り知る術はありません。そのため、保険会社の取扱い規定にしたがい、条件を満たす場合は、Aさん以外の人にお支払いするのです。

もっとも、Aさんが生活保護費を受給していることを保険会社が知っていた場合は、Aさん以外の人に保険金をお支払いするのは生活保護費の不正受給に加担することになりますので、Aさん以外へのお支払いは認められないと思います。

さらに、保険会社によっては、口座振り込みではなく、窓口で現金支払いに応じる会社もあります。窓口支払いは違法でもなんでもない正当な運営です。Aさんが生活保護費を受給しているかどうかは保険会社は知る由もないのですから、請求手続きに何も問題がない以上、Aさんに入院給付金50万円は支払われることでしょう。もしかしたら、生活保護の制度の抜け穴といえるかもしれません。生活保護制度の適切な運用、そして不正受給の撲滅を、切に願うばかりです。

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