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孫のための学資・こども・生命保険/保険金請求トラブルの事例

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「働けど働けど我が暮らし楽にならざり。じっと手を見る」

これは約100年前の明治時代末期に、石川啄木が詠んだ歌です。現代の日本でも、ワーキングプアや派遣切りなど、真面目に働いているのに必ずしも報われることはありません。いつの時代も、世間は厳しく世知辛いもののようです。

今回は、20歳の時に授かり婚をしたAさんとBさん。二人は小さいころからの幼馴染。中学卒業後、すぐ同棲を開始し、ほどなくBさんが妊娠したのを機に結婚。Aさんは家族のために懸命に働きましたが、如何せん中卒がネックとなり、日雇いなどを転々としていました。二人は経済的に自立できなかったため、比較的裕福だったBさんの実家に間借りしている状況でした。保険好きだったBさんの両親は、孫のためにBさんを契約者とした学資保険と、万一のためにBさんを被保険者、孫を受取人とする終身保険1,000万を契約していました。

子供の誕生から2年ほどのあいだ、Aさんは真面目に仕事をしていましたが、将来の見通しがまるで立たず、閉塞感や倦怠感ばかりが募りっていきました。周りを見渡せば、同世代の若者が楽しそうに大学生活を送っていたり、スーツに身を包んで颯爽と歩いていたりするのを見かけるにつけ、Aさんはどうしようもない焦燥感を感じ、ろくに仕事もせず、友人と遊び呆けるようになりました。

AさんとBさんの仲も険悪になり、喧嘩も絶えず、離婚も現実的に考え始めた矢先に、なんとBさんが交通事故で急死してしまいました。Aさんの両親を含めて、AさんとBさんの両親の話し合いの結果、Aさんが子供を引き取ることになりました。とはいっても、Aさんは相変わらず廃れた生活を送っていて、実質的には実家でAさんの両親が子供の世話をしていました。

Bさんの49日が過ぎ、ようやく生活が落ち着いたBさんの両親は、葬儀代や孫の将来の教育資金のために用意していた保険の請求を行うことにしました。ここでBさんの両親にとって予期せぬ出来事が起こりました。なんと、Bさんの両親は保険金を1円も受け取れないと、保険会社から連絡があったのです。保険料はすべてBさんの両親が負担していたにも関わらず、なぜこのような事態になってしまったのでしょうか。

理由は、学資保険の契約者は亡くなったBさん、終身保険の受取人は孫にしていたためです。まず、学資保険の契約者であったBさんが亡くなったため、契約者はBさんの法定相続人である孫に変更されました。問題は、孫の親権者がAさんであるため、一切の権利は、孫の親権者であるAさんにあります。同様に終身保険1,000万の受取人も孫であったため、Bさんの両親は請求権がなく、すべての権利は孫の親権者であるAさんにあります。

当然の流れとして、Bさんの両親はAさんに対して、保険金を渡してほしいと話をしました。ところが、金に困っていたロクデナシのAさんは、1円たりとも渡さないとの姿勢を崩しません。たまらず、Bさんの両親は保険会社へ我々が保険料を負担していたのだから、Aさんではなく、Bさんの両親に支払ってほしいと申し立てを行いました。保険会社からの回答は、「保険料を誰が負担していたかは問題ではありません。請求権はAさんにあるので、Aさん以外へのお支払いはできません」と、取りつく島もありませんでした。

今回の事例のように、保険の請求権は「誰が保険料を負担していたか」は一切関係がなく、「受取人が誰であるか」がすべてです。保険会社の担当者は、「生命保険はみなし相続財産になるので、保険契約者・被保険者は本人、受取人は配偶者がよいですよ」と説明しがちです。教育資金の生前贈与非課税など、高齢者から若い世代への資金援助を政府も後押ししていますが、いざというときに、トラブルに巻き込まれないよう、保険契約者や受取人は保険料負担者にしておくことをお勧めいたします。

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